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就業規則のネタ 【第54回】 -タイムカードの管理-

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        就業規則のネタ
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  ◎ 第54回    タイムカードの管理     2008年10月17日

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こんにちは。社会保険労務士の長谷川です。

最近、アメリカ発の金融不安が日本にも飛び火したこともあり、日本の景
気も厳しい状況になってきました。

景気が悪くなると、今まで表に出てこなかった従業員の不満が表面化し、

  解雇・賃下げなど、労働条件の不利益変更

といった問題だけでなく、

  サービス残業(名ばかり管理職の問題も含めて)
  セクハラやパワハラ
  長時間労働による健康障害(うつ病など)  

などの問題がますます増えることが予想されます。

このような厳しい状況だからこそ、労働トラブルに備え、予防するために、

  就業規則を整えて社内の決まりを明確にし
    ↓
  そして社内体制をガッチリ固めて

会社と従業員が一丸となって厳しい状況に立ち向かっていかなければなり
ません。

当メールマガジンでは、会社で発生する様々な問題に対し、就業規則で
どのように備えていけばいいのか、その方法をお届けしていきます。

  「厳しい状況を何とか乗り越えていきたい!」

という経営者の方、また総務担当の方、是非お読みください。

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前回は、

  “出勤・退勤” 

ということで、

  労働時間に該当するかどうかの境目
  
などについてお伝えいたしました。

今回は、

  “タイムカードの管理”

についてお伝えしていきます。

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  今回のテーマ    ■ タイムカードの管理 ■

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各従業員の出退勤の記録と管理については、

  出勤簿
  タイムカード

のほか、大きな会社や、IT系の会社などでは、

  IDカードを機械に読み取らせる方法
  会社のネットワークにログイン又はログアウトする方法

で行うものなど、最近はいろいろな方法があるようです。

それほど大きくない会社では、タイムカードを利用するのが。出退勤の記
録に客観性がそれなりに保たれ、コストもそれほどかからないということ
で、一番良いと思いますし、また最も一般的な方法だと思います。

今回は、出退勤の記録と管理の方法について、タイムカードによるものに
限定し、少し書いていこうと思います。

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タイムカード(に限らずだと思いますが)による出退勤の記録と管理につ
いては、

(1)タイムカードに記録された時間が、本当に出勤・退勤時刻なのか?

(2)タイムカードの打刻に不正はないか?

という点が問題となります。

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(1)タイムカードに記録された時間が、本当に出勤・退勤時刻なのか?

という問題ついては、いくら就業規則で、

  始業時刻には仕事をできる状態であること
  終業時刻まで仕事をちゃんとすること

を定めても、社内の環境がそうなっていないと、なかなか思うようになら
ないのではないかと思います。

そのような意味で、就業規則とは直接関係はありませんが、

  タイムカードの打刻をどこで行うか

  タイムカードの打刻が適正に行われているかをどのように管理するか

などについて、社内で検討する余地があるものと思います。

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(2)タイムカードの打刻に不正はないか?

この問題は、経営者側、従業員側の両方が不正を行う可能性があり、また、
なかなか根深い問題でもあります。

会社側の不正としては、いわゆるサービス残業を隠すために、

  ・ タイムカードを打刻させた後で仕事をさせること、
    (直接指示しなくても暗黙のプレッシャーをかけること)

などが考えられます。

一方、従業員側の不正としては、

  ・ タイムカードを他人に打刻してもらうよう依頼すること
    依頼に応じて他人のタイムカードを打刻すること
    (あわせて、タイムカードの不正打刻)

  ・ 仕事がないのに会社に居残り、残業をしたようにタイムカードを
    打刻し、残業代を請求すること

などが考えられます。

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会社側か、従業員か、どちらかが不正にタイムカードを打刻していれば
(又はさせていれば)、本当の出勤・退勤時刻と、タイムカードに記録さ
れた時間は当然食いちがってきます。

特に、サービス残業の問題に絡み、残業代の支払いについて会社と従業員
の争いとなった場合に、この点が問題になります。

このような場合、残業時間について、会社としてはタイムカードを根拠に
その時間を主張することになります。

しかし、従業員が本当にサービス残業をしていた場合には、帰宅時間との
ズレ、会社のパソコンの使用状況、従業員自身の様子、その他さまざまな
面から、タイムカードの労働時間と現実の労働時間との矛盾が分かってく
るものです。

このように、タイムカードの労働時間と現実の労働時間のズレというのは
会社にとって大きなリスクとなります。

このリスクを100%なくすことは残念ながらできませんが、リスクを軽減す
ることはできます。
その方法の一つとして、残業の指示又は許可制の徹底が挙げられます。

ただ、今まで残業を従業員の主体性に任せ黙認してきた会社にとっては、
残業を指示したり許可したりするのはかなり面倒だと思われます。

このあたりは、もしトラブルになったときのことを考えて面倒でも行うか、
そのときはそのときだということにするのか、ということを各会社で決め
ることになります。

————–

一方、タイムカードに関する従業員側の不正の代表が、不正打刻です。

遅刻しそうなので、同僚や後輩にタイムカードの打刻を頼み、頼まれた人
がそれに応じて打刻を行う、というのがありがちなパターンです。

また、従業員もけっこう気楽にやってしまうことが多いです。
(頼まれた方は断りにくいという面もあると思います)

したがって、タイムカードの不正打刻は、会社と従業員との信頼関係を破
壊する行為であるということを、従業員によくよく理解させる必要があり
ます。

労働時間の管理は、賃金計算の基礎になるということはもとより、賞与・
昇給等を決定するときの資料、従業員の健康のために、長時間労働になっ
ていないかをチェックする資料、業務の負荷を見るときの資料となるなど、
労務管理上大変重要です。

そのため、タイムカードを実態のとおりに打刻することを徹底するととも
に、不正打刻を行った場合には懲戒処分も行わざるを得ないことを従業員
に周知する必要があるでしょう。

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以下、就業規則の一般的な条文を例示します。

(タイムカードの管理)
第○○条
従業員は、タイムカードの打刻について、次の事項を遵守しなければなら
ない。

(1)出退勤、外出の際は本人自らタイムカードを打刻すること。ただし、
   業務の都合で現場へ直行または直帰する場合、会社の許可を得たもの
   についてはタイムカードの打刻をしなくてもよいこととする。

(2)タイムカードの打刻を他人に依頼したりまたは依頼に応じたりしては
   ならない。

——————————————————————-

タイムカードの管理については、実態のとおりに打刻すること、不正打刻
を厳しく禁じることが当然であり、また大変重要なことです。

そのことを就業規則に定めることも大事なことなのですが、それ以上に、

 ・ 適切な打刻ができるような場所にタイムカードを設置すること

 ・ タイムカードの管理は不正防止のにらみを利かせられる者に任せる
   こと

 ・ 適切な打刻をするのが当然だという会社内の雰囲気を作っていくこと

が大事だと思います。

これはけっこう大変なことですが、タイムカードだけの問題だけでなく、
会社の雰囲気作りの基礎にもなるのではないかと思います。

        ―― 第54回 タイムカードの管理  おわり ――

◇―――――――――――――――――――――――――――――――◇

   おわりに   ◆どうでもよくないお話◆

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先月のリーマンブラザーズの件以後、金融不安といわれたり、株価が
乱高下したりしています。

株にはあまり興味のない方もいらっしゃるかもしれませんが、

確定拠出年金(日本版401k)を運用している方は、それなりの損失を出し
ているのではないかと思われます。

また、会社で退職金資金を積み立てている場合も同様で、損失を出した結
果、資金不足が生じる可能性があります。

ということで、今後、多くの会社で退職金制度を考え直す必要に迫られる
のではないかと心配しています。
(余計な心配であればいいのですが)

—–+——-+——-+——-+——-+——-+——-+——-+—–

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

当メールマガジンの内容、その他就業規則や労務管理などについてご質問
がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。

また、ご意見、ご感想などもお待ちしております。
 
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