- 2009-04-24 (金) 14:50
- ニュースペーパー
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就業規則のネタ
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◎ 第73回 役職手当について 2009年4月24日
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こんにちは。社会保険労務士の長谷川です。
日本も含めて世界の多くの国の景気が悪化し、今後もどんどんひどくなっ
ていきそうな雰囲気です。
今後は、派遣社員をはじめとした非正規従業員だけでなく、正社員の労働
条件にも手をつけないと、会社そのものの存続も危ぶまれてくる状況にも
なりかねなくなっています。
そのため、以前にご紹介した
中小企業緊急雇用安定助成金
などを利用して厳しい状況をしのぐだけでなく
・ 賃下げなど、労働条件の不利益変更
・ 解雇
なども真剣に考える必要が出てくるものと考えます。
このような厳しい状況のなかで、労働トラブルが発生するということは、
会社の存続にとって致命的なものともなりかねません。
そのため、
就業規則を整えて社内の決まりを明確にし
↓
そして社内体制をガッチリ固めて
会社と従業員が一丸となって厳しい状況に立ち向かっていかなければなり
ません。
当メールマガジンでは、会社で発生する様々な問題に対し、就業規則で
どのように備えていけばいいのか、その方法をお届けしていきます。
「厳しい状況を何とか乗り越えていきたい!」
という経営者の方、また総務担当の方、是非お読みください。
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前回は、
“基本給について”
ということで、
・ 最低賃金や出来高払い等の注意点
・ 基本給を決定する要素
などについてお伝えいたしました。
今回は、
“役職手当”
についてお伝えしていきます。
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今回のテーマ ■ 役職手当について ■
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役職手当は、部長・次長・課長・係長 などといった役職に応じて、
それぞれの役職に応じた職務や責任
などといったものに応じて支払われる、というのが一般的です。
会社によっては、部長・次長といった一般的な役職名ではない、オリジナ
ルの役職名をつけているところもありますが、いずれにしても、役職手当
は、社内の組織体制とセットで考えるべきものです。
しかし、そうはいいながらも、
・ 行き当たりばったりで役職を作り、その場で適当に手当の額を
決めてしまう
・ 名前だけの役職で手当はない
ということも意外と少なくありません。
このようなことは、その会社の労務管理に対する考えを如実に示している
ものと思います。
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役職手当を決定する上では、
・ どのような役職が会社に必要なのか?
・ 必要なそれぞれの役職の職務や責任とは何か?
・ それぞれの役職の職務や責任に応じた手当はどの程度が妥当か?
といったことを検討していく必要があります。
もちろん、必要な役職、それぞれの役職の職務等については、会社の規模
・体制などが変われば当然変わり得るものですので、必要に応じて変えて
いくことになります。
その他、
・ 役職手当に残業代を含むかどうか?
・ 成果などに応じて役職手当の額を変動させるかどうか?
といったことについても検討することになると考えます。
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さて、役職手当について考える上で避けて通れないのが、
いわゆる「名ばかり管理職」
の問題です。
マクドナルドの裁判で「名ばかり管理職」というフレーズが世間に広まり
ましたが、小売店に限らず、
課長になると係長のときより給料が下がる
というのは世間によくある話です。
この、いわゆる「名ばかり管理職」の問題の根拠は、労働基準法第41条に
あります。その内容の一部を簡単に抜き出すと、
監督若しくは管理の地位にある者は、労働時間、休憩及び休日に関す
る規定は適用しない
つまり、
監督若しくは管理の地位にある者については、時間外、休日、休憩時
間に労働しても割増賃金を支払わなくて良い
ということとなります。
そして、課長以上の役職者は監督若しくは管理の地位にある者(管理監督
者)とした結果、
残業代をあわせると、課長のほうが係長より給料が低くなってしまう
というおかしな現象が発生することになるわけです。
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それでは、いわゆる、名ばかりでない管理職、つまり、労働基準法第41条
でいう、「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)」に該当する
人とはどのような人なのでしょうか?
課長は管理監督者なのでしょうか?
部長は管理監督者なのでしょうか?
まず、
各会社の職制上の役職者であれば自動的に労働基準法第41条でいう
管理監督者になるというわけではない
というのが大前提です。
実際に管理監督者にあたるかどうかを判断するには、
・ 経営及び従業員について管理的立場にある者であって、使用従属関
係が一般の労働者に比較して弱いこと
・ 職務の性質上、労働時間、休憩、休日に関する規制の枠を超えて活
動することが要請されていること
→そのため、自己の判断によって出社、退社、休憩をとり得る
自由裁量が認められていること
・ 賃金等の待遇についても、その役職の地位にふさわしい待遇がなさ
れていること
といったところを、各会社の実態を総合的に見て判断することとなります。
そのため、部長だから、あるいは課長だから管理監督者に該当する、ある
いはしない、ということではありません。
(通常課長クラスで管理監督者に該当すると認められることはまずないと
思いますが)
また、同じ会社で同じ部長職でも、管理監督者に該当する場合もあれば、
該当しないこともありえます。
(労働基準法第41条でいう)管理監督者であるかどうかは、実態を見て判
断することになるわけですが、実際には管理監督者であると認められるた
めのハードルは想像以上に高いものとなりますので、安易な判断は禁物で
す。
この点を十分に承知した上で、労働基準法第41条に該当する管理監督者に
なる役職・ならない役職を明確にしておくことが重要です。
——————————-
役職手当の額についても、
・ 賃金等の待遇についても、その役職の地位にふさわしい待遇がなさ
れていること
が求められますので、管理監督者には、実質的な権限と責任、それに見合っ
た賃金(ボーナス等も含む)などの待遇を与えることが必要になります。
そのため、
残業代をあわせると課長のほうが係長より給料が低くなってしまう
というような、賃金額の逆転現象が起こる場合には管理監督者としての地
位が認められることはまずありません。
実務上で役職手当の額を決定する際には、労働基準法第41条に該当する管
理監督者になる役職・ならない役職の境目には、誰が見てもはっきり違い
が分かるだけの差を設けることが必要になるでしょう。
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以下、一般的な条文を例示します。
(役職手当)
第○○条
役職手当は、次の職位にある者に対し支給する。
部長 ○○○○○円
課長 ○○○○○円
係長 ○○○○○円
2. 役職手当は、一賃金計算期間のすべてにわたって欠勤した場合には支
給しない。
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最後に、
「名ばかり管理職」が会社で問題となり、結果として、(労働基準法
第41条でいう)管理監督者として認められない
という場合にはどうなるのでしょうか?
その答えは、
時間外労働(休憩時間に労働した分も含む)をした分
休日労働した分 について時間外手当を支払っていない
いわゆるサービス残業状態となっていることになりますので
↓
時間外及び休日の割増賃金を支払うこととなる、
ということになります。
なお、割増賃金の計算をする際には、役職手当も割増賃金の計算の基礎に
含めることになります。
「名ばかり管理職」の問題については、不当に管理監督者にさせられてい
る労働者(いわゆる「名ばかり管理職」の人)が労働基準監督署などに相
談に行き発覚する場合がよくあります。
こうなると、会社に労働基準監督署の調査が入り、その結果、多額の残業
代を支払わざるを得ないことになってしまいます。
そのため、心当たりのある会社では早めに改善したほうが良いものと考え
ます。
―― 第73回 役職手当について おわり ――
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おわりに ◆どうでもよくないお話◆
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最近は、経済状況が悪く、失業している人がたくさんいるという状況です
のであまり話題になりませんが、名ばかり管理職の人に限らず、長時間労
働をしている人もたくさんいると思います。
このような方々にとっては、長時間労働が大変だからといってこの状況で
は会社を辞められないということで、とても大変な思いをしているのでは
ないでしょうか。
今回のテーマは、タイムリーなものではありませんが、この状況を乗り越
えて会社を経営し続けていくにあたっては重要なテーマだと考えます。
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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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